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つながるリレーインタビュー

若新 雄純氏 × 岩井 宏太 対談


記事更新日: 2022/10/25

若新 雄純氏 × 岩井 宏太 対談 若新 雄純氏 × 岩井 宏太 対談

対談日:2022年9月12日(@東京支店トワイライト)


Guest Profile


若新 雄純氏

福井県若狭町出身。慶應義塾大学大学院修了、修士(政策・メディア)

株式会社NEWYOUTH 代表取締役
慶應義塾大学 大学院政策・メディア研究科 特任准教授
国立福井大学 産学官連携本部 客員准教授

大学では、人・組織・社会における「創造するコミュニケーション」を研究。
日本全国の企業・団体・学校等において実験的な政策や新規事業を多数プロデュース。ビジネス、人材育成・組織開発、就職・キャリア、生涯学習、学校教育、地域・コミュニティ開発などさまざまな現場でフィールドワークを行う。
現在、テレビ・ラジオ番組等でのコメンテーターとしても活躍中。

【二人の出会い】学生起業家プロジェクトでの出会い。まったくタイプの違う二人

岩井社長
僕と若新さんが出会ったのは、2014~2015年頃だったと思います。
出会いに通じる共通点があって。2003年に、全国100名限定の学生起業家育成プロジェクト『ドリームゲート』というのが行われていたんですが、僕たち2人ともそれに参加していたんですよ。

若新さん
そうなんです。
当時はエリアが東日本と西日本に分かれていたので、面識すらほぼ無かったんですけど、その後、同窓会みたいなものがあって、行ってみたら岩井さんがいたんです。
そのときに福井の会社だっていうのを知って話が盛り上がりました。

当時僕はちょうど福井に帰りだした頃で、福井で色んな活動を始めた時期だったんです。
だから福井にそんな会社があるんだと思って、岩井さんの会社に遊び行って、そこから色んなお付き合いが始まりましたね。

組織作りや企業文化作りのお手伝いをさせていただいたり、あとは福井大学のスポンサーをしていただいたり。スポンサーに関しては、長年大変お世話になってます!

岩井社長
そこに関しては、全然全然(笑)
自分も元々は、色んな方や団体からの支援があってここにいると思っているので。今後も応援していきたいなと思っています。

若新さん
基本的に岩井さんは現場に出ないスタンスじゃないですか。
そこが僕とは、違うタイプだから。
でも、それはそれであって僕は自分と違うタイプがダメだとは思わないんですよ。僕は基本的に結構自分が現場にいく派、自分がプレイヤーなんです。

オールコネクトと関わっているときは、岩井さんの経営者としての哲学を感じつつ、結果的に現場の社員の皆さんとたくさんお会いしたり、一緒に色んな取り組みをさせてもらったりする機会があって、それもいいなと思います。

岩井社長
面白いですね。
プレイヤーとマネージャーの世界というか。色んな起業家としてのやり方や方向性があって、正解は無いと思うんですよ。

若新さん
そうですね。僕はあくまで自分が実際に行って、自分が企画も実践もするタイプの人。
岩井さんはマネジメントに徹している人っていうイメージですね。

岩井社長
でもプレイヤーとしての若新さんでいうと、完全にはみ出まくってる人じゃないですか(笑)
研究内容とか聞いていてすごく面白いです。

プレイヤーの中から飛びぬけて世界を変えていく人は、組織で世界を変えていくのとは違う着眼点があるなと思っていて。
たった一人でやってるんだけど、影響値はすごくでかいって言う人ですよね。

若新さん
僕たち仕事のアプローチの仕方とか全然違うんですけど、お互いに大人なので、疲れない距離感を分かってて(笑)。
お互いにこれくらいだとストレスないよねっていう、生き方が全く違うプロフェッショナルへのリスペクトがあったような気がします。

価値観の違いを尊重しあうことで、ずっとお付き合いできるっていう感じですね。

【若新さんから見たオールコネクト】オールコネクトはゲームの世界観。ルールの作りこみがポイント

ー若新さんからみたオールコネクトを、これまで多く関わっていただいている採用の観点からご意見ください。

若新さん
そうですね、オールコネクトと関わっていく中で1番感じたことは、オールコネクトは1つの大きな「マリオワールド」というか、ゲームの世界観だなと。
ルールや振る舞いみたいな部分も、オールコネクトに一歩入ったらこうなんだよっていう風にすごく作りこまれているんです。
僕はそういうのを結構あいまいに生きている人で、仕事間の切り替えもないし、ごちゃごちゃしているので……より強くその印象を受けました。

オールコネクトは、駐車場前に来て車を止めて、会社に入るとゲームのスイッチが入る世界になってるなというのは思ってて。その中でも岩井さんはボスキャラとか主人公・プレイヤーっていうよりはゲーム裏のアーキテクトというか。オールコネクトワールドっていうゲームをずっとシリーズ1・2・3て出し続けて、作り続けているイメージです。それが僕にとってはとても興味深くて。

ここに入った社員はみんな、ある意味では起業家冒険物語みたいなゲームになっているんですよ。入ったら「今日からあなたは起業家の卵です」みたいな。
ステージをクリアして、次の起業家的なプレーをするのに必要なアイテムやゲームのルールとかを全て数値化してて、ステージクリアしていくことでみんな成長できるような世界観を作っているイメージですね。

岩井社長
僕が会社に「識学」を導入しているのはそんな感じの意図がありますね。国で例えると、強い国同士が競争するとき、何で強さが決まるのかというと結局はルール。

もちろん、資源とか他の要因も色々あると思うんですけど…。ルールが優れていることで、外との競争に勝てると思います。ここでのポイントは、そのルールが優れているかどうかっていうのはその通りに動かないとだめで。

会社の中でルールに従うというのは、日本にいるから日本の法律に従うようなイメージ。
ルールを全てアルゴリズムというような形で表現できてはじめて、優れたルールになると思います。

若新さん
バーチャファイターの技は複数出せないじゃないですか。
オールコネクトに関しては、うちのコマンドはこれっていうのを徹底的に一個一個作りこんでいく感じだなと思っているんです。

アントレプレナーシップや起業家精神は解釈の幅も広いし、正直、僕の起業家精神はこれだって言いだすと、まとまらないと思うんです。
うちはこうなんだっていう精神部分を決めるのはすごく勇気がいることだと思うし、全く決めないのも勇気がいること。
岩井さんに関しては徹底的に決めている。うちは格闘技で言うと二次元でジャンプのコマンドはこれでみたいな。その世界が機能するように0から作りこんでいるんです。

僕は日常生活がぐちゃぐちゃなんですよ。あっちもこっちも全てのコマンドを混ぜたい人なので、岩井さんのやり方がすごく興味深い。
採用ブランディングに関してその観点で話すと、お手伝いしたとき、今よりもっとそこを明確に伝えることが大事なんだろうなと思っていたんですよね。

そもそも会社や組織、ベンチャー、成長、起業家とかって解釈が人によってバラバラなんで。
オールコネクトはこうであるという解釈をちゃんと明確にしてあげていて、解釈に合う人がゲームのルールをちゃんとわかってコマンドを理解して、強いプレイが出来るようにしていくっていうことを思い切ってやってるなと思っています。そこはけっこうびっくりでしたね。

年齢層が若い会社ってその辺はあいまいにしておく人も多いと思うんですけど、そこは岩井さんが元々アスリートなのもルーツとしてあるのかなと。

岩井社長
カヌーで一応全日本選手権優勝してますからね(笑)

若新さん
でしょ? だからそれはやっぱり、ルールの上で審判があいまいだと競技が成り立たないっていう前提があると思うんです。

起業家精神に正解はないと思うんですけど、岩井さんと話しているときに「ルールが不明確だったら、競技している人がかわいそうだよね」っておっしゃってたのを覚えていて。

僕はそもそも人間が生きている中でルールって言うのは不明確であって、人間っていうのはルール通りに動かないところに関心があるんです。
だから、岩井さんがチャレンジしているのは、不明確な中でどうやって統一基準、ルールっていうものを会社の中で作りこんで強くするかっていうことだと思うし、僕はそれに収まり切れない人間の難しさみたいなところと付き合っていきたいところがあって。

思い通りにならない人間を1つのプログラムの中で機能させようという試みがどうなっていくんだろうっていうところに興味があります。

岩井社長
今「会社を攻略しましょう」みたいなキーワードでうまく僕の会社を表現してくれたんですけど。どういう風に世の中変えていきたいんですかという部分で行くと、若新さんと僕はやっぱり全然違う部分があると思いますね。

若新さん
そうだと思います。僕は「オールコネクトにはオールコネクトの勝てる戦略とゲームのルールがある」みたいなことがもっとより伝わるといいなと思ってて。

みんながCMで見てきたような古くからある日本の大手企業はどうなっているのかというと実はそんなに自由ではなくて、すごく古い形で統一されたゲームみたいなものがあると思うんです。

オールコネクトの魅力的な部分を僕なりにひとつ挙げるなら、ルールが古くて今に合っていないなら、その古いルールを作り直す。
そこで強くて新しい、若い人みんなが納得できるようなルールを作れるところがオールコネクトの魅力的な世界観なのかなと思います。

例えるとアスリート(岩井社長)とロックミュージシャン(若新さん)みたいな感じ。

僕はロックが好きだから、形式とか無い、あいまいなものが好きなんですけど、岩井さんはやっぱりより強くなるためにルールが古いなら、ルールを作り替えるべきだっていうところ。それが、岩井さんの1番の起業家精神なんだと思います。

岩井社長
ルールを僕が作るって言うのが今あったと思うんですけど、会社全体のルールを僕が何%作ってますかといわれると、ごくわずかでものすごく少ない。
憲法みたいな部分を僕の所で作ってる。それ以外の所は部長や課長といった管理者の人たちにも、自分たちでルールを作ってもらっています。
それに従わなかったとしたら懲罰が入る、本当に国みたいなイメージですね。

組織とかチームで勝てるような人材が育って、スーパープレイヤーというよりはチームで勝てる、マネジメント能力を一番見れるような会社なのかなという風には思っています。

若新さん
そうですね。オールコネクトはゲーム攻略みたいなのが好きな人が向いてる気がしますけどね。マリオワールドみたいな。
ゲームが始まると、最初のゲームはこういう風にプレーすると上達するんだよって言うチュートリアルがしっかりあって、少しずつ難しくなっていって、突然現れたボスの倒し方も、それまでのやり方が通用しないということは全くなくて。それまで出てきたものをちゃんと丁寧に全部入れていってアイテムをそろえるとしっかり攻略できるみたいな。

確かに岩井さんがおっしゃるようにそれを岩井さん1人で全部作ってるんじゃなくて、そういう世界をみんなが作れるようになることすら、描いているんだなと思いますね。
マインクラフトみたいな(笑)

ずっとプレイしていくと、ある程度作るっていうこともできるようになると。

【若新さんが考える通信業界】常に進化が必要、責任と権限

—若新さんは、通信業界についてどうお考えですか?

若新さん
オールコネクトは仕事の仕方が通信業界っていう業種とはそんなに関係無いですよね。
通信業界だからこういう働き方だというのは感じたことがないです。

岩井社長
確かにそうですね。職種で行くと弊社は通信キャリアじゃないんでね。電波立てたりとかそういう会社じゃない。どちらかと言うとマーケティングを中心とした会社だからそういった部分で行くと確かに若新さんの指摘どおりですね。

若新さん
通信はインフラですけど、実体が鉄道とかと違って目に見えないじゃないですか。僕の知らないところで、色んな細かい技術とか業界内の縄張り争いとかがすごい変わってて、弱肉強食の厳しい世界なのかなと思うんですよ。

だから、常に進化していないといけないというイメージなんですよね。オールコネクトはここで強い勝負が出来るように作りこまれていると思うんです。

やっぱり業界の変化が激しいってなると、今儲かってなくても次これが必要みたいな決断とかをルールをみんなで守って作っていくっていうこととどうやって並行していくのかなっていう。

岩井社長
あーおもしろいね。基本的には事業の責任者って事業を作んなきゃいけない立場でもある。
最後に僕がハンコを押したあと、その責任者がどうすれば事業がお客さんに受け入れられて集客ができるのかっていうのを考えていくことが大事ですかね。

若新さん
なるほど。
実行の最終的な判断は上司がするんだけど、その判断のもとでどう作るのかってことが責任者には任されるんですね。

岩井社長
責任と権限ですよね。子供の時は責任も負えないから権限も無いわけなんですけど。20歳になったら門限無いよっていうのと同じで。
プレイヤーでもある程度のレベルのことができるようになったら、じゃあこういうことが出来るようにしたらいいですよっていうのが対になっているっていう感覚です。

通信の販売と事業企画、異なる競技の両立

若新さん
なるほど。じゃあ少し突っ込んだ質問なんですけど、通信販売の仕事と、新しい商品を開発する仕事、2つの異なる競技をどう両立させて作っていくのかを聞きたいです。
通信業界って、どんどん飽和しているでしょうから、販売には限界があると思うんですよ。
もちろんオールコネクトは今でも大きな販売の仕事をしていると思うんですけど。当然みんなそこに参入してきて、次のステージを考えたときに新しい事業そのものを作り出す話になってきますよね。

でも販売と事業企画っていう仕事だと、経理なんかも絡んできますし競技自体が全然違うじゃないですか。

販売に強いルール作りに関してオールコネクトは非常に秀でていて、大きな存在感をだしていった。
次は将来の気になるところへの事業企画をする際の新たなルールとか、そのゲーム攻略みたいなところを、オールコネクトはどう作っていくのかというところが気になっています。

事業の企画って、僕も企画の仕事をしているから分かるんですけど、社員に自由に何でも企画していいよって簡単にはならないですよね。ちゃんと「企画する」っていうゲーム攻略が出来るようなプログラムがあった方がいいと思うんですけど、それは今まで岩井さんが積み上げてきた販売とは全然競技として違う気がして。

岩井社長
そうですね。今までずっと販売ばかりで、なぜ最近になって販売から自分たちで競技をつくる、すなわち「事業を企画する」っていう風に変わってきた。

ここを一言で言うと、販売の世界で1番になったからなんですよね。
通信の代理販売は大手の代理店から小さな代理店まで、みんなで全く同じものを売るってこと。その中で販売1位が取れたんですよね。そのときにじゃあ次のステップは自分たちで作ろうよって言うのは自然の流れでしたね。

基本的には代理店販売っていう他社商品を売るっていうこと自体は今まで通り続けていきながら、新しいものにも新規投資をやっていきましょうという方向性ですね。

若新さん
これめっちゃ気になる。2つの違う競技を同時にやるときにルールがガラッと変わるんじゃないかと思って。

岩井社長
確かに組織の体制とかは変わってきてるんですよ。昔はデザイン部とマーケティング部は分かれてたんだけど、1つのプロダクトを作るうえで一緒にした方がいいんじゃないかとか。

マーケティング、広告の運用で勝つというよりもプロダクトで優れていれば広告費も自然と安くなっていくと考えると、世の中の「いいもの」も変わりつつあると思います。必要な部分を残しながら、勝てるような次のゲームで勝てるようなところに投資をしていく。

若新さん
やっぱり岩井さんが持つ魅力というか起業家能力は、一見複雑に見えることをゲーム化して、ゲームを本気でやりこんで徹底的に攻略するところだなって。
色んな起業家精神があると思うんですけど、色んなことやりたい・色々作りたいって言う前に与えられたルール、そしてその中で一番になるって決めて、成し遂げたことがあるのかいっていう岩井社長のメッセージなのかなと。

岩井社長
僕自身、大企業で例えると、入社して20年経って最近やっと課長になりましたみたいなレベルだと思っていて(笑)。
オールコネクトをやってきて、ようやく色々なことを任せてもらって商品を作れるようになりましたというか、最近はそんな感じかもしれないです。

泥臭いものをスマートにしたオールコネクト

岩井社長
新規投資の方向としては、販売という得意領域を生かしたプロダクトに繋げたいですね。
じゃあ、どんなプロダクトがいいのかというところでいうと、ビッグテックが来ないような……完全デジタルのビジネスとかは真似される可能性があるので、食領域とか…なにか唯一無二のものが作れればいいのかなとは思っています。

若新さん
今のを聞いていてもう1つ、オールコネクトの魅力がもっと伝わればいいなと思うのは、そもそも「売る」ということ自体が商売の基本であり、すごく泥臭いことじゃないですか。本来オールコネクトでやっていることはこの泥臭い「売る」ということを、スマートにしたはずだと思うんです。

だけど、みんな入り口が間違っていて、“泥臭いものをスマートにしたことが価値” なはずなのに、“それすらも泥臭く見えている” というか。逆から見ないといけないと思うんです。

これだけ今まで人海戦術で根性論だけでやっていた「売る」という仕事を、こんなにも仕組化したり、IT化したりとスマートに出来るようになった。これこそがオールコネクトの強み。

岩井社長
確かに、通信代理店とかは今でもそういう泥臭いという印象がすごく強い。ドロドロしてて今でもパワハラがあって、みたいな。

若新さん
例えばバスケットボールとかも、家でエアコン聞いた部屋でゲームしかやってない人からすると、試合見ても「うわー汗かいてる」とか「ぶつかってる、転んでるよ」と思いがち。

これが昔の試合だったら審判もいなくて床の状態も悪い、2つのゴールの高さも合ってないというようなところを、今のバスケットボールは完璧に整備された体育館で、エアコンも効いて審判もちゃんと居てラインもしっかり引いてある。もっと言うとビデオ判定とかもある、それくらいスマート化されてるからみんながぶつかり合える状態になったはずなんですよ。

でもスポーツやってない人からしたら「うわスポーツやってる」「泥臭い」みたいに見えちゃう。見るところはそこじゃないと思うんです。
整備されていない「売る」という泥臭い戦いを、これだけスマートな誰もが熱くなれる試合・ゲームにしたところがオールコネクトの魅力なわけで、そこにもっと気づいてほしいと思いますね。